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zoom RSS 右よし、左よし、青い空。 〜『恋人たち』(橋口亮輔監督) 

<<   作成日時 : 2015/12/23 12:51   >>

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映画というのは「具体的なもの」の積み重ねでできています。
一方で人の脳は、五感からの信号を不断に抽象化し物語化しようとする。
だから監督や俳優たちは、そんな脳の営みから、ひたすら逃げ続けることで映画を作り上げているわけですね。
僕(たち)のようなフツウの人間にはとても真似のできる芸当じゃない。
たとえばこの作品を撮った橋口亮輔監督の脳内では、いったいどんなことが行われているのか。
それすら想像しがたいでしょう。

だからこうした映画を観たとき、「解説」でも「感想」でもなく、何かしら語ることができると思うのはあまりに不遜で、言葉は圧倒的に不利な代物だと実感するんですね。
「全部ダメ」と、アツシがコンクリートの橋脚に記した大きな×。
あの生々しくも苦々しい白い×を前にして、それを凌駕できるほどの言葉を、いったい僕たちは持っているんだろうか?
夫との性交ののち、風呂場で股間を拭う瞳子の、あのどこか収まりどころの悪いたたずまいを、過不足なく伝えられる言葉を僕たちは持っているでしょうか?
もしイエスと答えられるなら、その人は、インデックスでしか思考できない、この国の首相と同程度の「愚鈍さ」を、めでたくも持ち合わせていることになります。

「右よし、左よし」。
そう言った後にアツシが見上げた青空。
どこまでも僕たちの思考から逃げ去るあの青空を、どこまでも僕たちは追いかけなければいけない。
それが「愚鈍さ」と対峙する方法でもあるでしょう。


+++++

 今年はほとんど更新できませんでしたが、まだまだこのブログは続きます。
 これからもよろしくおつきあいください。
 ではよいお年を。 


weekly? ぱんだnoきぐるみ」ご訪問ありがとうございます。


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