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『愛を読むひと』の変節
『愛を読むひと』の変節 この映画のちょっと性急とも受け取られかねない主人公ふたり(ハンナ=ケイト・ウィンスレット、マイケル=レイフ・ファインズ)の関係の進展は、どこか『ラストタンゴ・イン・パリ』(1972年、ベルナルド・ベルトルッチ監督)を思い起こさせます。 もちろん物語はまったく違うんですが、偶然出会った歳の離れた男女が秘密の逢瀬を重ねて互いの身体を貪りあうという設定は、男女の年齢差を逆にすれば『ラストタンゴ・イン・パリ』のポール(マーロン・ブランド)とジャンヌ(マリア・シュナイダー)の関係とよく似ているでしょう。... ...続きを見る

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2009/06/29 13:05
『レスラー』、歩く背中。
『レスラー』、歩く背中。 『レスラー』のチケットをネット予約し終えたところへ、突然三沢光晴さんの訃報。 そのあまりの急逝とともに何とも居心地の悪い偶然にびっくりしました。 もちろん僕がチケットを取ったことと三沢さんの死が重なった偶然にじゃなくて、この映画の公開とともに彼がリング上で死んでしまったという偶然にです。 運命の女神というのはしばしば本当に悪意に満ちている、そう思わないではいられませんでした。 ...続きを見る

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2009/06/15 13:04
『おと・な・り』の音と音楽
『おと・な・り』の音と音楽 あえて言うまでもなく、『おと・な・り』というのは「お隣」と「音鳴り」をかけていて、つまり「お隣の音」ということです。 で、言うまでもないと断りつつ(笑)なぜあえてそう指摘するのかといえば、そのテーマからするととてももったいない映画だと思うからです。 ...続きを見る

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2009/06/14 07:58
『ベルサイユの子』と『星の王子さま』
『ベルサイユの子』と『星の王子さま』 もしかするとギョーム・ドパルデューの新作を見られるのはこれが最後だろうかと思うと、やはりちょっと複雑な思いがします。 父のジェラール・ドパルデューは、息子の葬儀で、サン=テグジュペリの『星の王子さま』から次の一節を朗読したそうです。 ...続きを見る

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2009/06/13 17:52
シネマのリハビリカプセル 第21回 『WiLd LIFe』
シネマのリハビリカプセル 第21回 『WiLd LIFe』 久しぶりのリハビリカプセルです。 競馬ブログを復活させた上、今週はダービーウィークですのでそちらの記事をアップするの力を入れてしまっていますが、こちらもサボらずに続けていきたいと思います。 ...続きを見る

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2009/05/31 13:43
『スラムドッグ$ミリオネア』の糞ダメ
『スラムドッグ$ミリオネア』の糞ダメ 主人公の兄サリームの幼少時代を演じたアズルディン・モハメド・イスマイル少年が、スラム街の家から立ち退きを強要されて路上生活を余儀なくされたと聞くと、まさに映画さながらの人生だと、何だか妙な感慨を覚えたりもします。 ただ彼の場合、残念ながらもらったのはオスカーでミリオン・ルピーじゃなかったんだなあ、と。 ...続きを見る

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2009/05/19 16:59
『バーン・アフター・リーディング』、主人公であることを拒絶する主人公
『バーン・アフター・リーディング』、主人公であることを拒絶する主人公 もし拙ブログでレビューしたように『ノーカントリー』(2007年)が主人公を疎外していく物語だとすれば、同じコーエン兄弟監督が撮ったこの『バーン・アフター・リーディング』もまた、主人公を物語の周縁へと追いやっているのでしょうか? というより、いったいぜんたい、この物語の主人公は誰なのか? ...続きを見る

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2009/05/12 16:09
『グラン・トリノ』、仁王立ちするイーストウッド
『グラン・トリノ』、仁王立ちするイーストウッド これが俳優クリント・イーストウッドの見納めなのかと思うと、つい『グランド・トリノ』という作品を感傷的に見てしまいそうになります。 たとえばポーチで椅子に腰掛け、ビールを飲みながらあたりに目を配るウォルト(クリント・イーストウッド)に西部劇のシェリフのの姿を重ね合わせて、そういえばクリント・イーストウッドはセルジオ・レオーネ監督のマカロニ・ウェスタンで映画俳優としてのキャリアを始めたんだった、なんて感慨に耽りながら記憶を辿ってみたくなるんですね。 でも必要以上に感傷にひたれば作品を見誤ってしま... ...続きを見る

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2009/05/08 15:20
追悼、、、忌野清志郎
『グラン・トリノ』のレビューを準備していて、死の知らせを耳にしました。 どうしてでしょうか、彼を追悼する記事をアップする日がくることなんて決してないと思っていたというのに。 あまりに単純にそう信じていたので、僕は、彼がまだ再発した癌と闘っていることさえ忘れていたほどでした。 このときが近い将来やって来るだろうという、そんな予感のかけらさえ僕にはなかったんですね。 ニュースを聞いて一晩が過ぎた今も、ほとんど現実感がないのは、そのせいでしょうか? ...続きを見る

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2009/05/03 10:51
『ある公爵夫人の生涯』、相似形の二人
『ある公爵夫人の生涯』、相似形の二人 冒頭、チャールズ・グレイ(ドミニク・クーパー)たちを走らせて賭けを楽しむジョージアナ(キーラ・ナイトレイ)を、館の二階からデヴォンジャー公爵(レイフ・ファインズ)が窓越しに眺めるシーンがあります。 このシーンは映画の後半にもう一度繰り返されていて、そのときに窓の外を眺めているのはジョージアナです。 窓が曇っているのかあるいは他の理由があるなのか、なぜか部分的にぼやけているところもそっくり反復されているんですね。 この反復は何でもないことのように見えますが、実は大きな意味をもっています。 ... ...続きを見る

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2009/04/29 15:19
『レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―』に吹く予定調和の風
『レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―』に吹く予定調和の風 『レッドクリフ Part II』公開直後に映画館に足を運んだのは、何も続編が見たくていてもたってもいられなかったというわけではなくて、「サービス料金」に釣られてしまったからです(笑)。 そうでなければ孔明(金城武)みたいに扇子を優雅にあおぎながら、まだまだのんびり構えていたかもしれません。 ...続きを見る

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2009/04/14 17:13
『リリィ、はちみつ色の秘密』の三姉妹
『リリィ、はちみつ色の秘密』の三姉妹 黒人姉妹の映画と言えば真っ先に思い出すのは『カラー・パープル』(1985年、スティーヴン・スピルバーグ監督)ですが、同時にこの『リリィ、はちみつ色の秘密』の場合、三姉妹の映画でもあります。 もともとは四人だった姉妹は、登場したときにはすでに一人が早世していて三人なんですね。 やがて物語が進むにつれ、三姉妹はいったん二人になるものの、すぐさま再び三人に戻ります。 この人数の変動、振り子のように4から2へと振れた姉妹の人数が3で均衡するのは原作に従っているんでしょうが、4でも2でもなく3、とい... ...続きを見る

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2009/04/07 11:30
『ワルキューレ』、「真実」であるということ。
『ワルキューレ』、「真実」であるということ。 いつかはブログで言及することになるかな、と思っていたことがあって、それが今回でもいいのかも知れないと思いました。 何のことかというと、ここ数年映画の公開にあたって、「事実に基づく物語」だとか「本当にあった物語」というコピーが増えているということです。 もちろん以前からこの謳い文句は決して珍しいものではなかったんですが、最近とくにその傾向が強まっているように思えます。 この風潮は、まったくの「フィクション」より「事実に基づく」ものであることの方が、「映画」にとってはより価値があると思える土壌... ...続きを見る

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2009/03/31 11:06
『ヤッターマン』、深キョンへの不埒な興味
『ヤッターマン』、深キョンへの不埒な興味 この実写版『ヤッターマン』について語り始めると、およそ誰もがドロンジョ役の深田恭子ちゃんに行きついてしまう。 例えばバットマンなら、マイケル・キートンであれクリスチャン・ベールであれ、マスクを着けた瞬間から彼はバットマンであり、彼がどうバットマンを演じるかということ以上にバットマンを監督がどう設定・演出するか、ということが大切なわけです。 が、この『ヤッターマン』のドロンジョはちょっと事情が違います。 このドロンジョはドロンジョである以前に、まず深キョンなんですね。 深キョンはマスクを着... ...続きを見る

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2009/03/27 09:22
『チェンジリング』の赤い唇
『チェンジリング』の赤い唇 慌しかった身辺がようやく少し落ち着き、つながらなかったインターネットも復旧して、久々にブログを更新させていただきます。 今回はクリント・イーストウッド監督の『チェンジリング』のレビューです。 ...続きを見る

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2009/03/24 16:27
『ブロークン・イングリッシュ』の逆輸入
『ブロークン・イングリッシュ』の逆輸入 どたばたしていてレビューを書けないでいるうちに東京では上映が終了しましたが、遅ればせながらアップしておきます。 ...続きを見る

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2009/02/26 08:34
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』、グッナイ・ベイビー。
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』、グッナイ・ベイビー。 ベンジャミン(ブラッド・ピット)の育ての母クイニー(タラジ・P・ヘンソン)は、寝る前に必ず「グッナイ・ベイビー」とベンジャミンに声をかけます。 「グッナイ・ベイビー」というと僕らの世代はキングトーンズなんですが(笑)、それはさておき、ベンジャミンが80歳過ぎの赤ん坊のときも、年齢と肉体がほぼ一致した40代の頃も、その挨拶は変わらないんですね。 母親にとって子供は何歳になっても子供で、肉体が80歳を越えていようが、どんどん若返っていこうが、クイニーにとっては関係ないわけです。 ...続きを見る

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2009/02/16 15:40
シネマのリハビリカプセル 第20回 『チンピラ』
シネマのリハビリカプセル 第20回 『チンピラ』 青山真治監督編の2回めは『チンピラ』(1996年)です。 ...続きを見る

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2009/02/14 17:00
シネマのリハビリカプセル 第19回 『Helpless』
シネマのリハビリカプセル 第19回 『Helpless』 久しぶりのリハビリカプセルは、今回から青山真治監督編です。 まずは1996年の長編デビュー作『Helpless』から。 ...続きを見る

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2009/02/13 01:08
『クローンは故郷をめざす』、欠落と共鳴と。
『クローンは故郷をめざす』、欠落と共鳴と。 優秀な宇宙飛行士として才能を高く買われている耕平(及川光博)は、合法クローン・プロジェクトへの登録を要請され受諾します。 彼はなぜ、不慮の事故に際して自分をクローン再生することを認めたのか。 それはたぶん、「欠落」を埋めるために他ならないでしょう。 彼は幼い頃自分のせいで双子の弟を死なせ、それ以来半身が「欠落」してしまった者として人生を生きてきたんですね。 そもそも耕平の家庭は父親が「欠落」しているわけですが、その「欠落としての家庭」をさらに方向づけたのが弟の死だったわけです。 もし彼... ...続きを見る

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2009/02/06 15:35

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