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『あなたは私の婿になる』の「父親の壁」
『あなたは私の婿になる』の「父親の壁」 この映画もまた、「ジェリコの壁」(『或る夜の出来事』、1934年フランク・キャプラ監督)の変奏ととらえるべきでしょうか? もちろん変奏であることがとりたてて悪いわけでも素晴らしいわけでもなくて、ただアメリカ映画というのはどうしてこれほどジェリコの壁が好きなんだろう、と思ってしまうわけです。 そして変奏だとわかっていながら、僕たちもまたどうしてこれほど「ジェリコの壁」を見てしまうんだろう、と(笑)。 ...続きを見る

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2009/11/04 17:21
『空気人形』、人形としてのペ・ドゥナの肉体
『空気人形』、人形としてのペ・ドゥナの肉体 前回『ヴィヨンの妻』のレビューで、「語りのていねいさ」の点で『空気人形』とは大きな差がある、と書いたんですが、それはたとえば『空気人形』のシーム(つなぎ目)について見てみるとよくわかります。 感情を持ってしまった空気人形ののぞみ(ペ・ドゥナ)は、「安物」であるせいで、体の両脇から首筋、そして太ももの裏側にもシームが走っています。 彼女はそれをとても気にしていて、あるとき、通りがかったメイクサロンで首筋のシームをコンシーラーのようなもので隠してもらうんですね。 まずそのときの彼女の微笑む横顔... ...続きを見る

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2009/10/16 15:32
『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』、グッドバイ。
『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』、グッドバイ。 海外の映画賞を受賞するというのは素晴らしいことですし、称賛されてしかるべきことだと思います。 ただしピンク映画やにっかつロマンポルノ時代の作品で滝田洋二郎監督や根岸吉太郎監督と出会った僕たちには、奇しくもふたりがたて続けに海外で賞を獲得したからといって、さほど新鮮味をもって作品を迎えることができないでいるのも事実でしょう。 実際滝田監督の『おくりびと』は、結局映画館に足を運ぶことなく上映が終わってしまいましたし、この『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』も、見るべきかどうか悩んだことは確かです... ...続きを見る

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2009/10/15 19:02
シネマのリハビリカプセル 第23回 『SHADY GROVE』
シネマのリハビリカプセル 第23回 『SHADY GROVE』 今回は青山真治監督編の5回め、『SHADY GROVE(シェイディー・グローブ 〜恋は突然に〜)』(1999年)です。 ...続きを見る

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2009/10/07 20:42
『リミッツ・オブ・コントロール』、試金石としての映画
『リミッツ・オブ・コントロール』、試金石としての映画 『ブロークン・フラワ−ズ』以来4年ぶりに撮影されたジム・ジャームッシュ監督の『リミッツ・オブ・コントロール』。 この映画を前にして、僕たちはいったい何を語ることができるんでしょうか。 『ブロークン・フラワ−ズ』には「居心地の悪さ」というちょっと韜晦ぎみの賛辞を贈った僕ですが、この映画と対峙するにはそんな韜晦さえ役に立たないように思えます。 ...続きを見る

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2009/10/03 15:45
映画『カムイ外伝』、血と肉
映画『カムイ外伝』、血と肉 実は崔洋一監督の作品を見るのは初めてなので確言はできないんですが、崔作品には「血」の赤をテーマとする思い入れがあるんでしょうか。 この『カムイ外伝』の冒頭、カムイについての概説が終わった後、白土三平の作画から実写へと移るところで、スクリーンが血しぶきのような赤で染まっていきます。 この血しぶきの赤は他のところでもお目にかかるわけですが、僕たちはそのたびに何とも言いがたい違和感を覚えるんですね。 もちろんそれは否定的な意味ではなくて、たぶんこうした違和感が映画の魅力のひとつだろうということで... ...続きを見る

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2009/09/26 20:55
『ココ・アヴァン・シャネル』、ふたりのミューズ
『ココ・アヴァン・シャネル』、ふたりのミューズ 『ココ・アヴァン・シャネル』を試写会で観てきました。 まだ公開前ですので、今回のレビューはなるべくネタばれしないようにしたいと思います。 ...続きを見る

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2009/09/10 19:11
シネマのリハビリカプセル 第22回 『冷たい血 AN OBSESSION』
シネマのリハビリカプセル 第22回 『冷たい血 AN OBSESSION』 今回は青山真治監督編の4回め、1997年公開の『冷たい血 AN OBSESSION』です。 ...続きを見る

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2009/09/09 14:44
『キャデラック・レコード 〜音楽でアメリカを変えた人々の物語〜』、ビヨンセの不幸?
『キャデラック・レコード 〜音楽でアメリカを変えた人々の物語〜』、ビヨンセの不幸? ビヨンセがミュージシャン役で出演した映画といえば『ドリームガールズ』(2006年、ビル・コンドン監督)を思い出します。 『ドリームガールズ』は公開時に観てはいるものの、あまりに退屈だったため、レビューをまとめることさえしないで無視してしまいました。 いや、でも、決してビヨンセに対して悪意をいだいているわけではないんです。 むしろ同情的でさえあるんですね。 だからこの『キャデラック・レコード』は、内容がどうであれとりあえずレビューはアップしようじゃないか、そう覚悟を決めて(笑)映画館に足を... ...続きを見る

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2009/08/30 19:46
『ココ・シャネル』、シャーリー・マクレーンのくわえ煙草
『ココ・シャネル』、シャーリー・マクレーンのくわえ煙草 この映画の一番の見どころは、きっとシャネルを演じるシャーリー・マクレーンのくわえ煙草だろうと思います。 彼女は手にした煙草が邪魔になると、それを消さずに無造作に口にくわえるんですね。 そうしてそのままモデルたちの衣装を整えたりする。 もちろんこれは演出というよりはシャネル自身の習慣です。 シャネルの伝記本を開けば、挿入写真の中に必ず一枚ぐらいはくわえ煙草の彼女を見つけることができるでしょう。 ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2

2009/08/19 12:56
海老沢泰久氏の死に感謝と追悼の意を。
海老沢泰久氏の死に感謝と追悼の意を。 海老沢泰久氏が亡くなりました。 このブログにあまりもう追悼の記事はアップしたくはないと思いつつ、海老沢氏の死に際して感謝のひと言も口にせずにいるのはいかがなものだろうかと、一文を寄せることにしました。 ...続きを見る

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2009/08/15 14:45
『ターミネーター4』の預言テープ
『ターミネーター4』の預言テープ 鑑賞券をいただいたので、『ターミネーター4』を観に行ってきました。 ...続きを見る

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2009/07/23 09:44
『それでも恋するバルセロナ』の異邦人体験?
『それでも恋するバルセロナ』の異邦人体験? 久しぶりのレビューは、どちらかといえば苦手なウディ・アレン監督の『それでも恋するバロセロナ』です。 原題は『VICKY CRISTINA BARCELONA』ですね。 『マッチポイント』(2005年)、『タロットカード殺人事件』(2006年)、『Cassandra's Dream』 (2007年)のロンドン三部作に続いて、今度はバルセロナなんだよ、というわけです。 このヨーロッパ・シリーズの特徴は何といってもスカーレット・ヨハンソンが連続起用されている点で、彼女は四作品のうち三本に出演して... ...続きを見る

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2009/07/20 14:30
『愛を読むひと』の変節
『愛を読むひと』の変節 この映画のちょっと性急とも受け取られかねない主人公ふたり(ハンナ=ケイト・ウィンスレット、マイケル=レイフ・ファインズ)の関係の進展は、どこか『ラストタンゴ・イン・パリ』(1972年、ベルナルド・ベルトルッチ監督)を思い起こさせます。 もちろん物語はまったく違うんですが、偶然出会った歳の離れた男女が秘密の逢瀬を重ねて互いの身体を貪りあうという設定は、男女の年齢差を逆にすれば『ラストタンゴ・イン・パリ』のポール(マーロン・ブランド)とジャンヌ(マリア・シュナイダー)の関係とよく似ているでしょう。... ...続きを見る

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2009/06/29 13:05
『レスラー』、歩く背中。
『レスラー』、歩く背中。 『レスラー』のチケットをネット予約し終えたところへ、突然三沢光晴さんの訃報。 そのあまりの急逝とともに何とも居心地の悪い偶然にびっくりしました。 もちろん僕がチケットを取ったことと三沢さんの死が重なった偶然にじゃなくて、この映画の公開とともに彼がリング上で死んでしまったという偶然にです。 運命の女神というのはしばしば本当に悪意に満ちている、そう思わないではいられませんでした。 ...続きを見る

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2009/06/15 13:04
『おと・な・り』の音と音楽
『おと・な・り』の音と音楽 あえて言うまでもなく、『おと・な・り』というのは「お隣」と「音鳴り」をかけていて、つまり「お隣の音」ということです。 で、言うまでもないと断りつつ(笑)なぜあえてそう指摘するのかといえば、そのテーマからするととてももったいない映画だと思うからです。 ...続きを見る

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2009/06/14 07:58
『ベルサイユの子』と『星の王子さま』
『ベルサイユの子』と『星の王子さま』 もしかするとギョーム・ドパルデューの新作を見られるのはこれが最後だろうかと思うと、やはりちょっと複雑な思いがします。 父のジェラール・ドパルデューは、息子の葬儀で、サン=テグジュペリの『星の王子さま』から次の一節を朗読したそうです。 ...続きを見る

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2009/06/13 17:52
シネマのリハビリカプセル 第21回 『WiLd LIFe』
シネマのリハビリカプセル 第21回 『WiLd LIFe』 久しぶりのリハビリカプセルです。 競馬ブログを復活させた上、今週はダービーウィークですのでそちらの記事をアップするの力を入れてしまっていますが、こちらもサボらずに続けていきたいと思います。 ...続きを見る

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2009/05/31 13:43
『スラムドッグ$ミリオネア』の糞ダメ
『スラムドッグ$ミリオネア』の糞ダメ 主人公の兄サリームの幼少時代を演じたアズルディン・モハメド・イスマイル少年が、スラム街の家から立ち退きを強要されて路上生活を余儀なくされたと聞くと、まさに映画さながらの人生だと、何だか妙な感慨を覚えたりもします。 ただ彼の場合、残念ながらもらったのはオスカーでミリオン・ルピーじゃなかったんだなあ、と。 ...続きを見る

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2009/05/19 16:59
『バーン・アフター・リーディング』、主人公であることを拒絶する主人公
『バーン・アフター・リーディング』、主人公であることを拒絶する主人公 もし拙ブログでレビューしたように『ノーカントリー』(2007年)が主人公を疎外していく物語だとすれば、同じコーエン兄弟監督が撮ったこの『バーン・アフター・リーディング』もまた、主人公を物語の周縁へと追いやっているのでしょうか? というより、いったいぜんたい、この物語の主人公は誰なのか? ...続きを見る

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 2 / コメント 0

2009/05/12 16:09

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